書店に行けば、様々な英検の参考書や問題集が並んでいます。
それらの書籍を見ると、そのほとんどが「旺文社」から発行されている事に気付くと思います。
なぜ、英検の過去問や参考書は全て、旺文社なのでしょう?
実は、これには深い理由があります。今回の記事では、その謎に迫ります。
目次
1. 英検の問題を作成している人物は、何者なのか?
英検の問題を作成しているのは、英検協会。誰もがそう考えているはずです。
しかし、それは違います。
英検協会は、旺文社に問題の作成を委託しています。つまり旺文社のスタッフが、英検の問題を代理で作成しているのです。
これを聞いて「英検協会はズルイ!問題を全て旺文社に作らせておきながら、自分たちは受験料を全部手にしているなんて」
そう考えるのが普通かもしれません。しかし、その実態は少し違います。
2. 英検で、最も成功したのは旺文社
実は、このシステムで大きな成功を手にしているのは、旺文社の方です。
なぜならば、英検問題の著作権は、作成した旺文社にもあります。よって英検の過去問を問題集にして発行し、全国の書店で販売できるからです。
さらに旺文社には、問題を作成することで、英検を攻略するためのノウハウも蓄積されていきます。
そこで、単語帳、参考書、問題集、ゼミ本、教本と、次から次へと英検に合格するための参考書を発行しているのです。
単語帳だけでもパス単と文単。この2つに加えて、問題集も過去問と集中ゼミと教本の3つ。
これに単元別の攻略本を加えると、恐ろしい数の参考書をリリースしていることになります。
英検は今や、個人の英語力を測る全国統一のスタンダード・テストです。
「英検の権威」と「合格のノウハウ」を手にした旺文社に恐いものなどありません。
3. 住所で分かる、英検協会と旺文社の不思議な関係
しかし私は経営者として、別な角度から、この旺文社と英検協会の関係を見ています。
この2つの会社の「住所」に注目してみましょう。
「英検協会 住所」で検索すると、「〒162-0831 東京都新宿区横寺町55」と出てきます。
「旺文社 住所」で検索しても、「〒162-8680 東京都新宿区横寺町55」と出てくるのです。
旺文社と英検協会は、全く同じ住所です。
これは一体、どういうことなのでしょう?
4. 英検をスタンダードにした、旺文社のマーケティング
私の考えですが、英検協会は現在、旺文社と合併するか、その子会社になっているのではないかと考えています。
1980年代の英検協会は「日本英語教育協会」という名称で、細々とした会社でした。
それが90年代に入ると、旺文社と合併したことで「日本英語検定協会」と名称を変え、日本を席巻する英語標準テストを発行する大会社へと急成長したのです。
文科省との関係をより強固にしたため、学校でも受験ができるようになり、5級や準2級、準1級という新ジャンルを創り、瞬く間に全国標準テストとしてのステイタスを手に入れました。
これら英検躍進の立役者は、間違いなく旺文社の「政治力」にあると、私は見ています。
政治力と言うと聞こえが悪いのですが、要は「マーケティング力」のことです。
5. まとめ
英検がメジャーな試験になったことは、私たちにとっても良いことです。
自分の英語力を測定する全国標準のものさしが、いつでも、どこでも、誰でも受験できる時代になったからです。
英検をここまでメジャーにした、旺文社の手腕には恐れ入ります。
少し下世話な話になりますが、旺文社には英検の「受験料」や「書籍」等、英検に関する全てのものから料金が入ってきます。
資金力、権威、認知度、その全てにおいて今の英検、いや旺文社に死角はありません。凄いマーケティング力です。
英検と旺文社の関係を上手に活用
英検の過去問を見ると分かるのですが、これらの問題は明らかに同一人物によって作成されています。
「なくて七癖」と言いますが、使われている単語や英文の構成などに、ある傾向が見られるのです。
旺文社のスタッフさんが、問題を作成しているのでしょうが、特に長文問題に使われている単語には、ある一定の法則があります。
イングラムでは、その法則をいち早く掴み、1冊の英検対策マニュアルにまとめています。こちらを受験前の塾生さんに渡し、事前レッスンを行うのです。
この法則を知った後に英検を受験するのと、そうでないのとでは大きな差が生まれます。
英検の問題に見られるある傾向とは・・・詳しくは体験学習でこっそりお話しします。
それでは、また
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