英検2級の難化傾向に高校生が苦しんでいる件とそのライティング対策について

英検2級が難化していると、最近よく耳にするようになりました。

また、インターネット上でもその話題を見掛けるようになりました。

英検2級は、本当に難しくなっているのでしょうか?

また、その対策は一体どうすれば良いのでしょう。

今回の記事では、難化していると言われる「英検2級の対策」について、詳しくお話しします。

また2024年度から始まる、新しいライティングの形式についても、その攻略法についてお話ししますので、楽しみにして下さい。

1. 英検2級とは、何なのか?

英検2級の試験内容が難化していると聞きます。しかし英検2級は、元々難しい試験です。

何をもって難しいと言うかは人によって違いますが、私の感覚的なものから言えば、かなり難易度の高いテストと言えるでしょう。

英検協会が「英検2級のレベルは高校卒業程度」と銘打っていることからも分かるように、その内容は高校2年以上が受験するレベルです。

よって、英検2級を「高校英語の終着級」「最後の英検」と考えているお子さんも多いようです。

英検2級は、高校生の最終関門「共通テスト」と英文の難易度も大きく変わりません。違うのはその文量で、共通テストの方が多いです。

英検2級を共通テスト前の肩慣らしに受験する、という意識を持つ高校生も多くなってきました。

2. 英検「2級」と「準2級」、何が違うの?

英検「2級」と「準2級」は、名前はそっくりでも、その内容はあまりにかけ離れています。

多くの高校生が、英検2級の壁に苦しんでいる状況から見ても、それは明らかだと思われます。

準2級は高校英語の基礎編、そして2級が応用編と考えてもらえれば、分かりやすいでしょう。

次に、今回のハイライト「英検2級は本当に難化しているのか」についてお話しします。

3. 英検2級は、本当に難化しているのか?

私の答えは「大きく難化はしていないが、合格ラインがやや上がっている」というものです。

5~6年前の2級なら、合格ラインは60%ジャストでしたが、現在の合格ラインはやや上がって、63%ほどになっているような感触を受けます。

しかし、ここで肩を落とす必要はありません。

英検2級の傾向を理解し、しっかりした対策を行えば、2級に合格するのは、それほど難しいことではありません。

まずいのは“ノー勉”、つまりは無策で受験することです。これでは博打と一緒で、撃沈するのは目に見えています。

4. 中3の生徒が2級に合格

実際に今回の英検でも、当アカデミーの中学3年生が2級に合格しています。

しっかり対策を行えば、中3でも合格できる試験、それが英検2級です。

ちなみに彼女は、中1から当アカデミーに通い、2年とちょっとしか英語をやっていません。

それでも2級に合格しました。

肝要なのは「敵を知る」ことです。

英検2級がどのような試験で、何を求めているのか。

その傾向を分析して、1つ1つに対策を講じれば、合格することはそれほど難しいことではないと言い切れます。

これから、その対策について詳しくお話しします。

敵を知れば、英検2級は中学生でも合格します

5. 英検2級のリーディング対策

「2級は長文問題が難しい」「大問1の語彙問題が分からない」

そんな意見をよく耳にしますが、2級のリーディングセクションは単語をどれだけ知っているか、いわゆる「語彙力」が鍵を握ります。

まずは「パス単」など、英検2級用の単語帳で、語彙力を上げることから始めましょう。

単語が分かれば、大問1も長文問題も、何を言ってるか大体理解できます。

英単語をある程度覚えたら、だまされたと思って、過去問の大問1だけ解いて下さい。

まあ、出るわ、出るわ・・・(笑)

単語帳を見ながら問題を作ってるんじゃないのという程、単語帳に出ている英単語が出てきます。

あとは過去問を3回分ぐらいしっかり解いて、問題のアルゴリズムを理解すれば、リーディング対策はバッチリです。

英単語の覚え方については、こちらの記事で紹介しています。

参考:【英単語暗記術】語彙力があれば何でもできる、英単語を1日300個覚える秘密の方法とは

6. 英検2級のリスニング対策

こちらもしっかりと過去問を解いて、このレベルのリスニングに耳を慣らしておく必要があります。

大切なのは、復習で “シャドーイング” をやる事です。

まずは、リスニングの原稿である「スクリプト」を入手しましょう。

このスクリプトは、英検協会の過去問サイトや、書店で売られている過去問集にも添付されています。

リスニングの音声を流しながら、それを声に出して読む。それがシャドーイングです。

これをやるだけで、驚くほどリスニング力、聞く力が上昇しますので、ぜひ一度お試し下さい。

参考:英語のリスニングが急上昇する裏技「シャドーイング」とは何なのか?

7. 英検2級のライティング対策

そしてこのライティングが、最も大切なセクションです。

たった1問で、問題全体の33%を占めています。

ライティングを落とすか拾うかで、合否が決まりますので、このセクションはしっかりと英文を書く必要があります。

対策としては、理由を2つ書く箇所がポイントです。

ここは色々考えるより、私の考案した英検2級のテンプレート(雛形)に、単語をはめ込む方が簡単で確実です。

書き方としては「it for to の構文」を使用するとよいでしょう。

Because I think that it is 形容詞 for 人 to 動詞~. です。

形容詞には、useful(役に立つ)や、important(重要な)convenient(便利)comfortable(快適な)などが、よく使用されます。

人には、us, them, students などが良いでしょう。

こうやって、ブロックを一つ一つ切り分けて考えると、ライティングの攻略はカンタンなものになります。

ライティング対策は特に大切です

8. 2024年からリニューアルする、新英検ライティング対策

2024年度から始まる新形式の英検2級ですが、ライティングに要約文が追加されることになりました。

① 実際に要約問題(例題)を見てみると

まずは英検協会が公開している、以下の例題をご覧ください。

以下の英文を読んで、その内容を英語で要約し、解答欄に記入しなさい。
〇語数の目安は45~55語です。
問題文
  When students go to college, some decide to live at home with their parents, and others decide to rent an apartment by themselves. There are other choices, too.
These days, some of them choose to share a house with roommates.
  What are the reasonsfor this? Some students have a roommate who is good at math or science and can give advice about homework. Other students have a roommate from abroad and can learn about a foreign language through everyday conversations.
Because of this, they have been able to improve their foreign language skills.
  On the other hand, some students have a roommate who stays up late at night and watches TV.This can be noisy and make it difficult for others to get enough sleep.
Some students have a roommate who rarely helps with cleaning the house.As a result, they have to spend a lot of time cleaning the house by themselves.

こちらの英文を45~55語の英文で要約するという問題です・・・結構ガチです(汗)

まずは日本語に訳してみましょう。

日本語訳
〇学生は大学に進学すると、両親と実家で暮らすことを決める人もいれば、自分でアパートを借りることを決める人もいます。
他にも選択肢はあります。最近では、ルームメイトとシェアハウスを選択する人もいます。

〇その理由は何でしょうか?数学や科学が得意で宿題についてアドバイスしてくれるルームメイトがいる学生もいます。
他の学生には海外からのルームメイトがおり、日常会話を通じて外国語を学ぶことができます。このおかげで、彼らは外国語のスキルを向上させることができました。

〇一方で、夜遅くまで起きてテレビを見ているルームメイトがいる学生もいます。
これにより騒音が発生し、他の人が十分な睡眠をとることが困難になる可能性があります。
ほとんど家の掃除を手伝ってくれないルームメイトがいる学生もいます。
その結果、彼らは自分たちで家の掃除に多大な時間を費やさなければなりません。

② ポイント1)3つの英文で要約文を書く

それでは一緒に要約文を書いていきましょう。

よく見ると問題文は3つの段落から構成されています。

1つの段落につき、15語程度の英文で要約していくと良いです。

回答例
①When students go to college, some decide to live to share a house with roommates. (15語)

②Some students have advantages because their roommates have some skills that improve other students’ lives. (15語)

③On the other hand, other students haven’t any advantages because of their bad roommate’s lifestyle. (15語)

③ ポイント2)要約の仕方、スリーステップ

1. 最初は、問題文からコピペしながら、短い文章を書き出していく。

2. 次にその英文に肉付けをしていき、15words前後になるような文章にする。

3. 1文につき、15wordを目安に書く、3文で45wordsとなる。

※肉付けする場合、with my friends や、in our school など、人や場所を付け足すと良い。

④ 最後の手段

上記の3ステップを使っても、うまく要約文が書けないという方に、最後の手段をお知らせします。

それは「It for to の構文」を使って、第2と第3段落の要約文を書くことです。

そうです、中学校時代に習った、あの「It is 形容詞 for 人 to 動詞の原形」の構文です。

これは万能の構文で、準1級のライティングでも有効に使うことができます。

この構文を使って、第2段落と第3段落を要約すると、こうなります。

It is good for some students to live with their roommates who have some skills. (15語)

It is bad for the other students to stay with roommates whose lifestyles are very lazy. (16語)

これで新ライティングの要約対策はバッチリです。来年からの英検も大丈夫なので、慌てる必要はありません。

9. まとめ

当アカデミーでは、英検2級の受験直前、以上のような演習を体系的に行っています。

特にライティングは「習うよりも慣れろ」で、テンプレートに沿って、何回か自分の英作文を書き込み、慣れていく作業が必要になります。

しっかりと準備すれば合格するのが英検2級です。

準2級までは、感覚だけで合格できたという生徒さんもいますが、2級からはそうはいきません。

だからこそ、多くの高校生が苦しんでいる現状があります。

しかし前述したように、傾向を理解し、対策を立てて受験すれば、2級の合格はそう難しいことではありません。

しっかり準備をして、英検2級に臨みましょう。

あなたが2級に合格して、喜んでいる姿を想像しながら、ペンを置きます。

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