小学校の英語教育が失った大切なもの・・・あまりに大きかった教科化・必修化の代償

小学校の英語が2020年から教科に昇格し、国語や算数と同じような「必修教科」として扱われることになりました。

いよいよ英語が小学校の正式な教科になる。

新しい時代の到来を感じる変革ですが、その一方で大切なものを失ったという声があちこちから聞かれるようになりました。

今回、小学校が英語の教科化、必修化の代償として失った内容について詳しくお話しします。

1. 小学校の英語は、正式な必修教科

世界的なグローバル化の波に押されて、教育現場にも変革の波が訪れています。

その最たるものが、小学校の英語が正式な教科に昇格したということでしょう。

これで小学校の英語は、国語や数学と同じ「必修教科」として扱われることになります。

この流れに反対するつもりはありませんが、実際の教育現場や保護者からは不安の声ばかりが聞かれるようになっています。

2. 小学校に「英語」という文化はなかった

私たちが子どもの頃、小学校に「英語」という教科はありませんでした。

私が小学生だったあの頃、英語は中学生になったら学ぶものであると認識していました。

それから月日が流れ、約10年ほど前、これまで小学校の文化になかった英語が突然「外国語活動」として、小学校に導入されることになったのです。

実はこの「外国語活動」、生徒よりも先生の方が、どう教えて良いか分からず困惑していたようです。

3. 小学校の先生は、英語の「専門」ではないという事実

当時の小学校の先生方は「英語をどう教えていいのか、全く分からない」と堂々と言っておられました。

もう時効だから話しますが、当時帰国子女だった長男が、代わりに授業をしていたそうです(驚)

小学校の先生方は、中学校と違って、英語科「専門」の教師ではありません。

全教科をバランス良く教えることのできる能力が要求される仕事です。

そこに「英語」という極めて専門性の高い教科がいきなり入ってきたので、戸惑っていたのです。

小学校に英語専門の先生はいないという事実

4. 小学校の先生方は、不安を感じながら英語の授業をしている

当時はまだ英語が「外国語活動」の一環だったため、そこまで大きな負担はなかったと思いますが、現在は事情が違います。

英語を「教科」として指導しなくてはなりませんので、大きな責任が伴います。

なぜなら、評価を付けなくてはならないからです。

評価を付けるということは、それ相当の教科指導を要求されます。

ただでさえ混乱していた現場に、2020年「コロナ禍」という、とてつもない波が押し寄せてきました。

これで完全に“英語の教科指導”どころではなくなった現場は混乱を来たし、今に至っていると考てよいでしょう。

小学校では未だに年配の先生方は、英語があるため、5年生と6年生は持ちたがらないと聞いています。

5. 小学生のお子さんは、英語に疲弊している

また国語や算数のような成熟した教科と違って、英語は指導法も教材も練られていません。

例えば、国語には「漢字ドリル」、算数には「計算ドリル」のような、反復学習がありますが、英語にはまだ「単語ドリル」のようなものは見当たりません。

実は英語こそ、最も反復学習が必要とされる教科なのですが、そこまで教科の成熟化が進んでいないのが現状です。

お子さんは、自信を持って指導できない先生に英語を習い、不安を感じながら学習を進めています。

しかも評価があるため、「テスト」を受けなくてはなりません。

このような雰囲気の中で英語を強制的に学習し続けなくてはならず、これではお子さんは疲弊していき、英語を嫌いになってしまいます。

6. 小学校は、英語の楽しさやワクワク感を失った

英語がまだ「外国語活動」と言われた10年前、小学校の英語はワクワク感に満ちた、楽しいものでした。

ALTの先生が来られるのを心待ちにしているような、そんな未来感に満ちていました。

しかし今、教科に昇格した英語は、大切なそれらを失い、授業は迷走しています。

「いつか海外で生活してみたい」「外国人と英語で話してみたい」というワクワク感。

あの感覚を完全に失ってしまったら、英語は教科化と引き換えに、何よりも大切なものを手放してしまった。そう言われても仕方がないと考えます。

家庭で、英語をどう学習すればよいか?

7. まとめ

ここで小学生のお子さんを持つ親御さんにお願いですが、決して小学校の先生を責めないで下さい。

先生をスケープゴートにするべきではありませんし、安易な批判は何の解決策にもなりません。

何とかしろと言われても、急にどうすることもできませんし、今はまだ環境や現場が追いついていないのが実情です。

先生方も研修などを繰り返して、指導法を見つけ出そうとしていますので、地域のパートナーとして寄り添いながら、一緒に見守っていくのが良いでしょう。

先生方も文科省の理想論に振り回されて苦しいのです。ここを忘れてはなりません。

月並みではありますが、今できることに全力を尽くし、ご家庭でも小学校で習った内容を復習する事が大切です。

今、やれることに全力を尽くしていけば、きっと道は開けます。

小学校では英語のベーシック・基礎を作ることに専念しましょう。そうすれば中学校以降に、お子さんの英語は花開きます。

次回は、小学校のお子さんは家庭でどのような英語の学習をすれば良いのか、詳しくお話しします。

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