英検2級の合格を目指す多くの受験者が「英検2級合格にパス単だけでは足りない」という話をよく耳にします。
パス単は非常に高いカバー率を誇る単語帳ですが、実際に必要な単語量は約4,000語と言われています。このため、パス単だけでは全ての単語を網羅できないのではという不安が寄せられているのです。
特に、パス単をどこまで学習すれば良いのか、でる度Cの単語にやる必要はあるのかといった疑問も多く寄せられています。
また、パス単の学習を終えた後に、他の単語帳を買うべきか悩む人もいるでしょう。
英検2級に特化したパス単を使っても、大学受験では更に多様な語彙が求められるため、他の単語帳の利用を検討する方も大勢います。
最もおすすめの単語帳を知ることで、効果的に語彙力を高める手助けとなりますので、この記事で、英検2級におけるパス単の有効性について詳しく解説します。
記事のポイント
① 英検2級合格に必要な単語量を理解できる
② パス単の英検カバー率とその限界を把握できる
③ どの単語群を優先して学習すべきかが分かる
④ 他の単語帳の必要性やオススメを知ることができる
目次
英検2級はパス単だけでは足りないのは本当?
英検2級合格に必要な単語量は?
英検2級に合格するためには、約4,000語の英単語を理解していることが目安となります。
英検2級は高校卒業程度の英語力を求められる試験であり、幅広いトピックに対応できる語彙力が必要です。基本的な単語からやや難易度の高いものまで幅広くカバーする必要があります。
例えば、英検2級では、語彙力が特にリーディングとリスニングのスコアに影響します。いくら文法が理解できても、単語を知らなければ、意味をつかむことが難しくなります。
このため、単語量の確保は合格への鍵となりますが、ただ単に量を増やすだけではなく、実際に使われる頻度の高い単語を優先的に覚えることがポイントです。
無理にすべての単語を暗記しようとするのではなく、頻出単語を中心に覚えると少ない労力で大きな成果を手にすることができます。
英検2級 パス単のカバー率はどれくらい?
「パス単」は、英検2級に出題される英単語を効率的に覚えるために作られた単語帳で、非常に高いカバー率を誇ります。
実際、英検2級の試験では「パス単」に掲載されている単語が多く出題されるため、この単語帳をしっかりと活用すれば、必要な語彙力を効率よく身につけることが可能になります。
具体的には「パス単」では、英検2級に頻出する約1,500語が収録されており、これは英検2級に必要な単語の約76%をカバーしています。
また、頻出単語が「でる度A」「でる度B」といったランクで整理されているため、学習の優先順位をつけやすい点が特徴です。
パス単の「でる度」については「なぜ、英語の単語帳は「動詞と名詞」でほとんどが占められているのか?」で詳しく解説していますので、参考にして下さい。
パス単は英検を作成している旺文社が発行している英単語帳です。よって、これをやって出ないはずがないのです。
リーディングの問題を読めば分かりますが、出題者はこのパス単を見ながら問題を作成しているのではないかと思うほど、でる度AとBの単語は良く出されます。
パス単を完全に覚えることが、合格への最短距離であると言って良いでしょう。
英検を作成するのは旺文社という件については「 【英検外伝】英検と旺文社の不思議な関係、なぜ英検に関する書籍のほとんどは旺文社なのか?」を参考にして下さい。
5訂版のパス単とこれまでの違いは?
5訂版のパス単は、これまでの版と比べていくつか重要な変更点があります。まず、収録単語のアップデートが挙げられます。
英語の試験内容や時事問題は年々変化しており、出題される単語もそれに伴って変わってきます。
5訂版では、最近の英検2級の出題傾向に合わせて、必要な単語が最新のものに差し替えられたり、新しい単語が追加されたりしています。
これにより、過去のものよりも最新の試験対策に対応しやすくなっています。
また、レイアウトや学習しやすさの改善も特徴の一つです。特に重要な「でる度A」や「でる度B」の単語が見やすく整理されているだけでなく、例文やフレーズもより実用的な形に変更されています。
これにより、単語の意味を覚えるだけでなく、実際に使う場面をイメージしながら学習できるようになっています。
さらに、音声学習サポートも強化されています。リスニング対策として、単語帳に付属する音声データの質が向上し、発音をより自然に学べるようになっています。
これにより、単語の意味を覚えるだけでなく、リスニング力も強化することが可能です。
5訂版のパス単は、これまでの内容をベースにしつつ、英検2級の最新の出題傾向や学習者のニーズに合わせた改良が加えられているため、より効率的に試験対策が進められます。
パス単はどこまでやれば十分か?
パス単をどこまでやるべきかは、英検2級合格に向けて非常に重要なポイントです。まず、最優先で取り組むべきは「でる度A」の単語です。
これらは英検2級の試験で最も頻出する単語であり、ここをしっかりと押さえることで、語彙問題の大部分をカバーすることができます。
「でる度A」だけでも合格ラインに近づけることができるため、最初はここを徹底的に学習しましょう。
次に、「でる度B」に取り組むことで、さらに試験対策を強化できます。
「でる度B」は出題頻度がやや低くなるものの、試験の難しい部分で使われる単語が多く含まれており、これを覚えることで、難問への対応力を高めることができます。
「でる度C」については、時間が限られている場合には優先度が低めです。
余裕がある場合や、確実に高得点を目指す場合には取り組むべきですが、基本的には「でる度A」と「でる度B」をしっかりと身につければ、十分に合格点に達する可能性が高いです。
最終的に、パス単をどこまでやるかは、個人の進捗や目指すスコアに応じて調整することが大切です。
当アカデミーでは「でる度A」と「でる度B」の2つを完璧に仕上げるよう、レッスンを行っています。
英単語の覚え方については「英単語を1日で300個覚える秘密の暗記術とは、最速で語彙を増やす秘密の方法を遂に公開!」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にして、英単語を覚えて下さい。
「でる度C」をやる必要はあるのか?
「でる度C」の単語をやる必要があるかどうかは、あなたの目指すスコアや学習の進捗状況によって異なります。
基本的には、合格を目指すためには「でる度A」と「でる度B」を優先して学習することが推奨されます。
「でる度C」に収録されている単語は、出題頻度が比較的低いため、まずは頻出単語を確実に覚えることが大切です。
ただし、高得点や余裕のある合格を狙う場合や、他のセクションで失点したくない場合には「でる度C」の単語に取り組むことも有効です。
大学受験時の難問で出題されることがあり、こうした問題で「でる度C」の単語が使われる可能性があります。
また、でる度Cの内容は英検準1級と被っている部分が多くありますので、いずれ英検のステップアップを考えている方には、オススメです。
しかし、時間が限られている場合には、無理にすべてを覚えるのではなく、過去問で弱点を補いながら必要な単語を見極める必要があります。
最終的に「でる度C」をやるかどうかは、あなたがどれだけのスコアを狙うかや、試験までの残り時間に応じて判断するのが賢明です。
英検2級 パス単だけでは足りない時のおすすめ単語帳
ギリギリ合格には何点必要?パス単の有効性
英検2級の合格点は、スコア形式で1950点満点中1520点前後が目安とされています。
ギリギリ合格を目指す場合でも、語彙力は特にリーディングとリスニングで大きな影響を与えるため、単語力の強化は不可欠です。
ここでパス単の有効性が問われます。パス単に収録されている単語は、英検2級に頻出するものが中心です。
パス単をしっかりと学習することで、リーディングやリスニングのセクションで得点を伸ばすことが期待できます。
パス単だけで合格点には十分に到達できますし、単語力が不足していると感じたら、まずは「でる度A」を中心に語彙を補強することが最重要です。
パス単は、ギリギリでも合格を狙う際の重要なツールと言えます。
単語帳は他に買うべきか?おすすめの単語帳は?
パス単を使っている場合、追加で他の単語帳を買うべきか迷うかもしれません。基本的にはパス単が英検2級の試験範囲を十分にカバーしているため、まずはこれを完璧に仕上げることが優先です。
パス単には大学受験のための基本的な単語が揃っていますので、これだけでも共通テスト対策まで、対応できます。
ただし、もしパス単を終えてさらに単語力を強化したい場合や、難関大学への進学を希望する場合は、他の単語帳を併用することも有効です。
おすすめの単語帳として「システム英単語」か「ターゲット1900」が挙げられます。これは英語の頻出単語を幅広くカバーしており、大学受験や英検準1級対策にも役立ちます。英検2級以上のレベルを視野に入れたい人には効果的です。
また「キクタン英検2級」も音声学習に優れており、英検や共通テスト対策として使うのに適しています。
ただし、新しい単語帳を買う前に注意すべき点は、いくつもの単語帳に手を出しすぎて、どれも中途半端になってしまうことです。
まずはパス単をしっかりと定着させ、それでも余裕がある場合に他の単語帳を検討するのが賢明です。
単語帳については「キクタンは何が凄いのか、レビュー:英検に効果的という評価が多い理由」で詳しく解説していますので、ぜひ読んで下さい。
ターゲット1900で英検2級はどこまでカバーできる?
同じく旺文社から出版されている「ターゲット1900」は、大学受験向けに作られた単語帳で、頻出の英単語を広範囲にカバーしています。
そのため、英検2級の語彙にも対応する部分が多く、特に「ターゲット1900」の基本的な単語は英検2級のレベルでも非常に役立つでしょう。
頻出単語を網羅しているため、リーディングやリスニングの基礎的な語彙力を十分に補うことができます。
ただし「ターゲット1900」は英検2級に特化した単語帳ではないため、出題傾向に完全に合わせているわけではありません。
同じ旺文社ということもあり、比較される機会も多いのでしょうが、その内容は英検2級よりも難しく、より準1級に近いというのが、私の感想です。
そのため、ターゲット1900を使う場合には、パス単などの英検特化型の単語帳を覚えた後に使用することが理想的です。
英検2級の語彙問題や長文問題で頻出する実践的な単語については、パス単のような英検に焦点を当てた教材で補強することで、よりバランスよく試験の対策ができるでしょう。
パス単だけで大学受験は乗り切れるか?
「パス単」は英検2級に特化した単語帳であり、英検の出題傾向に合わせて作られています。
共通テストまでは対応することができますが、大学受験全体を見据えるとパス単だけではカバーできない語彙も存在します。
英検2級レベルの語彙は、高校卒業程度の基礎語彙をしっかり網羅していますが、大学入試ではより高度で専門的な単語が出題されることがあるため、語彙力の強化がさらに必要となります。
例えば、国立大の2次試験、私立大学の個別試験では、科学、医学、政治、経済など、専門的な分野で使われる単語が問われることがあります。
これらの単語は、パス単には収録されていないことが多く、大学受験向けの単語帳、例えば「ターゲット1900」や「システム英単語」などの教材も併用することが効果的です。
ただし、英検2級に合格するためにパス単を使って語彙力を高め、その上で大学受験用の教材に取り組むという流れは、非常に有効です。
パス単を使いこなすことで、大学受験に必要な基本語彙をしっかりと押さえた状態で、さらに難易度の高い単語に進むことができるでしょう。
結論として、パス単だけでは大学受験の全てをカバーするのは少し難しいですが、基礎を固めるための有効なツールとして活用でき、他の単語帳との併用が望ましいでしょう。
おすすめの単語帳については「共通テスト対策の単語帳でおすすめを厳選、不可能を可能にする最強のアイテムとは?」で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にして下さい。
英検2級合格にパス単だけでは足りないというのは本当か?の総括
〇 英検2級に合格するには約4,000語の語彙が必要である
〇 パス単は約1,500語を収録し、英検2級の約76%の単語をカバーしている
〇 過去問を通じて足りない単語を確認する必要がある
〇 「でる度A」と「でる度B」の単語が特によく出るので重要である
〇 「でる度C」の単語は高得点を狙う場合や時間に余裕がある時に学習するべき
〇 パス単で共通テストまでなら十分に対応できる
〇 パス単だけでは難関大学の受験に対応できない
〇 他の単語帳を併用することで、語彙力の補強ができる
〇 英検2級合格後にさらに語彙力を伸ばしたい場合は、追加の単語帳を活用する
~ 関連記事 ~
・ 【英語脳の作り方】英語の成績が急上昇する中高生に見られる、ある特徴とは?
・ 英語の伸び悩みに苦しむ高校生のお子さん、親はどう接すればよいのか?
・ 【初公開】最強の暗記術、一瞬で確実に記憶する知られざる方法とは
・ 英検の二次試験対策、英語面接を突破するために必要な3つのシークレットとは?
・【英検S-CBTとは】コロナ禍が英検に与えた、オンライン化の変革とは・・・
・ 都城の高校生が留学すると、英語の成績が急上昇する、それは本当か?
・ 英語で苦手を克服するか、得意なことを伸ばすかは、永遠のテーマ
・ 英語SVOCの意味、最も理解しにくい文型の訳し方とは?
・ 英語のリスニングが急上昇する勉強法「シャドーイング」とは何なのか?
・ 英検の過去問のやり方、使い方を徹底解説。世界一優れた教材、過去問の凄さとは?
・ 英検2級の難化傾向に高校生が苦しんでいる件とそのライティング対策について