英検2級の一次試験を突破したものの、二次試験の面接に不安を感じている方は多いのではないでしょうか。手応えがあったはずなのに、英検2級の二次試験でやらかしたかもしれない、落ちたかもと心配になることもあるでしょう。
実は、英検2級の二次試験で落ちる原因には、いくつかの共通点があります。落ちてしまう人の特徴や、意外と知られていない落ちる確率を把握し、正しい二次試験対策を行うことが合格への鍵となります。
この記事では、具体的な対策として、公式サイトで視聴できるバーチャル二次試験の活用法から、市販の予想問題集や過去問を使った練習方法、さらには面接で使える表現の裏ワザまで、合格に必要な情報を全て解説します。
この記事を読めば、二次試験への漠然とした不安が解消され、自信を持って本番に臨めるようになりますので、ぜひ参考にして下さい。
この記事を読むことで、以下の点について理解が深まります。
- 英検2級二次試験に落ちてしまう人の共通点
- 合格点や合格率などの客観的なデータ
- すぐに実践できる具体的な二次試験対策
- 面接本番で役立つ表現やマナー
目次
英検2級の二次試験に落ちる原因、不合格者の特徴とは?
このセクションでは、英検2級の二次試験で不合格になってしまう原因や、そうした人たちの特徴について掘り下げていきます。
- 英検2級二次試験でやらかした、落ちたかもと感じる方へ
- 面接に落ちてしまう人の特徴は無策であること
- 二次試験の落ちる確率と知っておきたい合格点
- 「面接に落ちた」知恵袋の情報は信用できる?
- ノックする回数など意外と知らないマナー
英検2級二次試験でやらかした、落ちたかもと感じる方へ

二次試験の後、「もっと上手く答えられたはずだ」「あの沈黙が痛かった」など、やらかしたと感じて落ち込む方は少なくありません。特に、想定外の質問に言葉が詰まってしまったり、焦って文法的なミスを連発してしまったりすると、落ちたかもという不安に駆られるものです。
しかし、自分では失敗したと感じていても、結果的に合格しているケースは数多くあります。面接官は、流暢さだけではなく、伝えようとする意欲や態度(アティチュード)も評価の対象としているからです。
完璧な英語を話せなくても、積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢が評価され、合格点に達することは珍しくありません。
大切なのは、試験後の反省を次に活かすことです。もし今回が不合格だったとしても、その原因を正しく分析し、適切な対策を講じることで、次回の合格は大きく近づきます。
まずは冷静に自分のパフォーマンスを振り返り、何が課題だったのかを客観的に見つめ直すことから始めましょう。
面接に落ちてしまう人の特徴は無策であること

英検2級の二次試験に落ちてしまう人の最も大きな特徴は、一言で言えば「準備不足」であり、無策のまま本番に臨んでしまうことにあります。
一次試験の筆記とは異なり、面接は相手がいるコミュニケーションの場です。そのため、どのような流れで試験が進むのかを知らないままでは、実力を発揮することが困難になります。
具体的には、以下のような状態で試験に臨む人が不合格になりやすい傾向があります。
- 面接形式の無理解: 問題カードの黙読時間、音読、それに関する質疑応答、イラストに関する質問、そして自身の意見を問われる質問という一連の流れを全く把握していない。
- 声に出す練習の不足: 黙読で内容は理解できても、実際に声に出して読む練習をしていないため、発音やイントネーションでつまずいてしまう。
- 意見を述べる準備の欠如: 最後の2つの質問では、社会的なトピックについて自分の意見とその理由を述べることが求められますが、これに対する準備を全くしていない。賛成か反対かの立場を決め、その理由を2つほど瞬時に英語で組み立てる訓練が必要です。
- 沈黙: 質問の意味が分からなかったり、答えるべき内容が思い浮かばなかったりして、完全に黙り込んでしまう。沈黙はコミュニケーションを放棄したと見なされ、大きな減点対象となります。
これらの特徴から分かるように、行き当たりばったりで合格できるほど甘い試験ではありません。逆に言えば、試験形式を理解し、それに沿った練習を積み重ねることで、合格の可能性は飛躍的に高まると考えられます。
二次試験の落ちる確率と知っておきたい合格点

二次試験を前にして、どれくらいの人が合格するのか、また合格点はどのくらいなのか気になる方も多いでしょう。客観的なデータを知ることは、目標設定や精神的な準備に役立ちます。
英検の合格点や合格率は、級や受験回によって変動するため、公式に固定値が発表されているわけではありません。
しかし、一般的に英検2級の二次試験(スピーキングテスト)の合格率は約80%前後と言われています。この数字を見ると、多くの受験者が合格していることが分かり、過度に恐れる必要はないと感じられるかもしれません。
一方で、約20%、つまり5人に1人は不合格になっているという事実も忘れてはなりません。準備を怠れば、誰でも不合格になる可能性はあるということです。
合格基準は、CSEスコアという独自の指標で示されます。英検2級の二次試験は650点満点で、合格基準スコアは460点と定められています。このスコアは、以下の3つの観点で評価され、算出されます。
評価項目 | 満点 | 概要 |
Reading | 10点 | 問題カードの音読。発音、イントネーション、区切りなどが評価される。 |
Q&A | 25点 | 問題カードやイラストに関する質疑応答。質問を正しく理解し、応答できるか。 |
Attitude | 3点 | 態度・意欲。積極的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢。 |
これらの素点を元にCSEスコアが算出されますが、単純な足し算ではないため注意が必要です。大切なのは、特定の項目で満点を目指すよりも、全ての項目でバランス良く得点することです。
特にアティチュード点は、ハキハキと話したり、アイコンタクトを意識したりするだけで得点につながりやすい部分と言えます。
「面接に落ちた」知恵袋の情報は信用できる?

二次試験に落ちたかもしれないと不安になると、ついインターネットで「面接 落ちた 知恵袋」などと検索し、同じような境遇の人の体験談を探してしまうことがあるかもしれません。そこには、慰めや共感できる内容が見つかることもあります。
しかし、これらの情報を鵜呑みにするのは注意が必要です。知恵袋などのQ&Aサイトに書き込まれる内容は、あくまで個人の主観的な体験談に過ぎません。
その人が不合格だった原因が、必ずしも自分に当てはまるとは限らないのです。例えば、「面接官が怖かった」「発音を細かくチェックされた」といった書き込みがあっても、それはその受験者の感想であり、採点の客観的な基準とは異なります。
メリットとしては、他の受験者がどのような点でつまずいたのかを知ることで、自分の対策の参考にできる点が挙げられます。一方でデメリットは、不確かな情報やネガティブな体験談に振り回され、不必要に不安を煽られてしまう可能性があることです。
したがって、これらの情報はあくまで参考程度に留め、一喜一憂しすぎないことが大切です。最も信頼できる情報は、英検の公式サイトに掲載されている試験内容や評価基準です。
客観的な事実に基づいて、自分に何が足りないのかを分析し、対策を立てることが合格への最短距離となります。
ノックする回数など意外と知らないマナー

英検2級の二次試験は、英語力だけでなく、面接室への入室から退室までの一連の行動、つまり「アティチュード(態度)」も評価の対象に含まれます。
直接的な配点は3点と低いものの、自信のある態度を示すことは、面接官に良い印象を与え、コミュニケーションを円滑にする上で無視できません。
意外と知られていない、あるいは迷ってしまうマナーの一つに、ドアをノックする回数が挙げられます。日本では2回が一般的とされることもありますが、国際的なビジネスシーンでは3回が標準とされることが多いです。
どちらが正解というわけではありませんが、2回または3回、はっきりとした音でノックすれば問題ありません。
入室から着席までの流れ
- ノック: ドアを2〜3回ノックします。
- 入室: 面接官から「Please come in.」などと声がかかったら、「失礼します(Excuse me.)」と言って入室します。
- 挨拶: 面接官の方を向き、「Hello.」と明るく挨拶します。
- 面接カードの手渡し: 「Can I have your card, please?」と面接カードを渡すよう促されるので、「Here you are.」と言って両手で渡します。
- 着席: 「Please have a seat.」と着席を促されたら、「Thank you.」と言ってから席に着きます。
こうした一連の流れをスムーズに行うことで、落ち着いて試験を始めることができます。マナーが合否を直接決定づけるわけではありませんが、こうした細やかな準備が心の余裕を生み、本来の実力を発揮することにつながります。練習の段階から、入室・退室のシミュレーションも行っておくと良いでしょう。
英検2級の二次試験に落ちる原因を潰す、最強の攻略法とは
このセクションでは、二次試験で落ちる原因を一つひとつ解消し、合格を確実にするための具体的な攻略法を解説します。正しい準備が全てを決めると言っても過言ではありません。
- まずは具体的な二次試験対策の計画を立てる
- バーチャル二次試験と予想問題集で実戦練習
- 二次試験の過去問や面接問題サンプルを活用する
- 減点されない面接で使える表現の裏ワザとは
- 「もう一度言ってください」は丁寧に言おう
まずは具体的な二次試験対策の計画を立てる

英検2級の二次試験対策は、やみくもに始めても効果は上がりません。合格というゴールから逆算し、具体的な計画を立てることが不可欠です。
最初にすべきは、「敵を知る」こと、つまり試験の全体像を正確に把握することです。英検公式サイトには、二次試験の問題形式や評価の観点が詳しく説明されています。どのような流れで、何が問われ、どう評価されるのかを理解することが、全ての対策のスタート地点となります。
次に、自分の現状を把握します。過去問や予想問題に一度取り組んでみて、どのパートが苦手なのか(音読、イラスト描写、意見陳述など)、どのスキルが不足しているのか(語彙、瞬発力、表現力など)を客観的に分析してください。
現状とゴールのギャップが見えたら、具体的な学習計画に落とし込みます。例えば、「今週末までに予想問題集を3回分、声に出して解いてみる」「来週は、意見を述べる練習として、トピック5つについて賛成・反対の理由を2つずつ書き出す」といったように、期間とやるべきことを明確にすると良いでしょう。
計画倒れにならないよう、無理のない範囲で、かつ継続可能な計画を立てることが成功の鍵です。
バーチャル二次試験と予想問題集で実戦練習

二次試験対策において、最も効果的な方法の一つが、本番さながらの環境で練習を重ねることです。そのために非常に役立つのが、英検公式サイトで無料公開されている「バーチャル二次試験」と、市販の「予想問題集」です。
バーチャル二次試験の活用
バーチャル二次試験は、Web上で面接の一連の流れを動画で体験できる優れたツールです。入室から退室まで、面接官の質問のタイミングやスピード、問題カードの提示の仕方などをリアルにシミュレーションできます。
これを視聴することで、「二次試験がどのようなものか全く分からない」という状態から脱却し、本番の流れを具体的にイメージできるようになります。
まずは一度、何も準備せずに視聴し、次に自分も受験者になったつもりで声に出して答えてみる、という使い方をおすすめします。
予想問題集の活用
予想問題集は、本番に近い形式の問題に数多く触れることができる最強の対策ツールです。多くの問題集には、模範解答や解説だけでなく、面接の様子を収録したDVDや音声CDが付属しています。
これらの教材を活用する際のポイントは、「見る」「聞く」だけで終わらせないことです。必ず、声に出して模範解答を読んでみましょう。
発音やイントネーション、話すスピードなど、客観的に自分の英語を分析することで、改善点が明確になります。
分かることとできることは違います。実際に声に出して練習を繰り返すことで、知識が初めて実践的なスキルへと昇華するのです。
二次試験の過去問や面接問題サンプルを活用する

予想問題集と並行して、二次試験の「過去問」や同じページに公開されている面接の「サンプル問題」に取り組むことも非常に重要です。
過去問は、実際の試験でどのようなトピックが出題されたのか、どの程度の語彙レベルや文法構造が求められるのかを知るための最も信頼できる資料です。
私は常々、過去問は「原点にして頂点」の教材であると言い続けています。実際に出題された問題なので、そのリアル度は本番の試験と何ら変わりません。以下に過去問活用のポイントについて、詳しくお話しします。
過去問活用のポイント
- 時間配分を意識する: 本番同様、問題カードの黙読(20秒)、音読、質疑応答の時間を計りながら解くことで、時間感覚を養います。特に、自分の意見を述べる最後の2問は、考えがまとまらないまま時間切れになることを防ぐ練習が必要です。
- 音読練習を徹底する: パッセージの音読は、単に文字を読むだけではありません。意味の区切りを意識し、適切な間を置き、感情を込めすぎず、しかし平坦になりすぎない自然なイントネーションで読む練習を繰り返します。つまずいた単語は、何度も発音を確認しましょう。
- 解答の骨子を作る練習: イラスト問題や意見を問われる問題では、いきなり話し始めるのではなく、「まず結論を言う→次に理由を2つ述べる」というように、解答の型を決めておくことが有効です。過去問を使って、様々なトピックでこの骨子を素早く作るトレーニングを積んでください。
これらの練習を通じて、どのような問題が出ても対応できる応用力が身につきます。面接問題サンプルと過去問を組み合わせ、最低でも2〜3回分は繰り返し練習することが、自信を持って本番に臨むための土台となります。
減点されない面接で使える表現の裏ワザ

英検2級の二次試験では、ネイティブのように流暢な英語を話す必要はありません。むしろ、文法的な間違いを減らし、自分の言いたいことをシンプルかつ明確に伝えることが評価につながります。
ここでは、覚えておくと便利な、減点されにくく、かつ様々な状況で使える表現の裏ワザをいくつか紹介します。
意見を述べる際の便利なフレーズ
自分の意見を問われた際、I think...
ばかりを使っていると、表現力に乏しい印象を与えかねません。以下のような表現を使い分けることで、より洗練された印象になります。
In my opinion, ...
(私の意見では、…)I believe that ...
(私は~だと信じています)From my point of view, ...
(私の観点からは、…)
まあ、I think...
だけでも十分ではあるのですが・・・
理由や具体例を挙げる際の接続詞
理由を述べる際に Because...
だけでなく、以下のような表現も覚えておくと便利です。
One reason is that ...
(一つの理由は~です)For example, ...
/For instance, ...
(例えば、…)Also, ...
/In addition, ...
(また、加えて、…)
これらの表現は、解答に論理的な構造を与え、面接官が内容を理解しやすくなる助けとなります。難しい単語を使うよりも、こうした基本的な接続表現を正しく使いこなし、スムーズに話を展開させることの方が大切です。
事前にいくつかのパターンをストックしておき、どんな質問が来ても自然に口から出るように練習しておきましょう。
「もう一度言ってください」は丁寧に言おう

面接中、緊張や周囲の音の影響で、面接官の質問が一度で聞き取れないことは十分にあり得ます。その際に、最もやってはいけないのが「無言で黙り込むこと」です。沈黙は、質問を理解していない、あるいは答える意欲がないと判断され、減点の対象となってしまいます。
聞き取れなかった場合は、正直に、そして丁寧に聞き返すことが重要です。これは減点対象にはならず、むしろコミュニケーションを継続しようとする積極的な態度(アティチュード)として評価されることさえあります。
聞き返す際の丁寧な表現
単に What?
や Pardon?
と言うよりも、以下のような丁寧なフレーズを使いましょう。
I'm sorry, could you say that again?
(すみません、もう一度言っていただけますか?)Could you repeat the question, please?
(質問を繰り返していただけますか?)I beg your pardon?
(恐れ入りますが、もう一度お願いします)
これらの表現を使うことで、質問を考えるためのわずかな時間を稼ぐこともできます。頭が真っ白になってしまった時でも、焦らずにこれらのフレーズを使い、落ち着いて頭を整理する時間を作り出すことができます。
聞き返すことは恥ずかしいことではありません。むしろ、沈黙を避けるための有効なテクニックと捉え、事前に練習しておきましょう。
まとめ:英検2級二次試験の落ちる原因は準備不足に尽きる
- 英検2級二次試験で落ちる最大の原因は事前の準備不足
- 面接の流れを全く知らずに本番に臨むのは非常に危険
- 合格率は約80%と高いが対策を怠れば誰でも落ちる可能性がある
- 合格基準点はCSEスコアで650点満点中460点
- 評価項目は音読、質疑応答、態度の3つ
- 無言で黙り込むことは大きな減点対象になる
- 質問が聞き取れない場合は焦らず丁寧に聞き返すことが大切
- まずは公式サイトのバーチャル二次試験で流れを掴む
- 市販の予想問題集や過去問を使った音読練習が最強の対策
- 分かることとできることは違うため声に出す練習が不可欠
- 意見を述べる際は「結論→理由2つ」の型を意識する
- 便利な言い回しや接続表現をストックしておくと有利
- 知恵袋などの個人体験談は参考程度に留める
- 入室時のノックや挨拶など基本的なマナーも自信につながる
- 正しい手順で対策をすれば二次試験は決して難しい試験ではない
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